釣りを趣味にして20年近くが経ちますが、その中で気づいたことが一つあります。
大きく成長している魚は(厳しい自然界で生き残っている賢い魚は)、餌を追わない傾向にあるということです。
生き残る個体は、ローコストで獲物を仕留める
言い換えると、長く自然界で生き残る魚は「食べやすい餌」のみ食べる傾向にあります。
具体的にいうと、活発に動く食べにくい元気な餌を自らの体力を削って積極的に追いかける(そして逃げられて徒労に終わるリスクを許容する)よりも、水の流れに逆らえず口元に漂ってくる餌を労せず食べる傾向にあります。
これは魚に限らず、野生の熊にも言えます。
若い子熊は遡上した鮭を積極的に追い回しますが、餌にありつける確率は高くありません。
一方で、自然界で生き延びている老練な親熊は、鮭を積極的に追い回したりしません。
ある1点に陣取り、流れに負けて押し流されてきた鮭をいとも簡単に効率的に捕食します。
もっと言えば、サバンナで暮らす肉食獣もそうですね。
元気で若々しい草食獣を追うよりも、筋力が発達していない仔や負傷している草食獣を狙って捕食します。
自然界でも投資界でも生き残るには
自然界も投資界も「厳しい環境」という点で同一であると考えると、投資界でも自然界と同じような生存戦略が必要なのかもしれません。
餌(銘柄)を捕食(取得)するには、よりローコストに自らの体力(資金)を使わず、より確実(割安)に手が届く範囲の餌を獲ること。
高配当銘柄への投資を行っていると、現時点での三菱商事やNTTなど、業績抜群のキラキラ輝く優良銘柄につい手を出したくなることがあります。
しかし、その優良銘柄は本当に値ごろなんでしょうか?
老練な肉食獣や大型魚は、その餌を追うのでしょうか?他に標的とする目標は無いでしょうか?
市場から退場しない生存戦略として、自然界の捕食スタイルから学ぶことは多いのではないか?と感じました。