世界の見方が変わる名著です。
(2024/12/23 08:26:14時点 Amazon調べ-詳細)
投資関係の書籍ではありませんが、投資に関連しそうな内容も多く記載されています。
この本の基本スタンス
- 世界は基本的に良くなっている
- 「世界は分断されている」という、とんでもない勘違い
- 大半の人は中所得の国に暮らしている。人類の91%は高所得・中所得の国にいる
- 「先進国↔︎新興国」から、「4つの経済レベル」へ
僕たちは(世界的な有識者たちを含めても)どうしても「世界はそこまで良い状態ではない」と考えてしまいがちですが、「実態」は「認識」よりも遥かに良いことがデータ上明らかになっています。
本書の冒頭では「世界の実情の理解度を測るチンパンジーテスト」が掲載されているが、僕も見事にチンパンジー以下の正答率を叩き出してしまいました。
これを読むと、「最適なインデックス投資先は米国か?全世界か?」という究極の質問にも「全世界!」と答えたくなってしまいます。
最適なインデックス投資先は?
しかし、米国の金融政策の洗練さは他国と比べて依然として目を見張るものであり、インデックス投資先として魅力的なのもまた事実。
シリコンバレーバンク破綻やクレディ・スイスの金融不安が発生した際にも、下げた相場がすぐに戻っています。長期的にみてどうなのか、はまだわかりませんが)
確かに、世界は成長している。しかし、世界の金融システムは米国ほど洗練されてはいない。
こう考えると、自分が生きている間(向こう50年ほど)の投資先としては、米国が適しているのかもしれません。現状、オルカンよりS &Pの方が手数料も安いしね。
こう考えると、先の見えにくい未来を見通すことを前提として考えるよりも、今この時の現状(とちょっと先の未来)をベースに考えた方が合理的な判断ができる気もします。
世界を誤って捉えてしまう10の本能
- 両極端な例から有益な学びは得られない(分断本能)
- 数値の差が10%以下の場合、その差に何らかの結論を出すことには慎重になるべき(ネガティブ本能)
- 平均はばらつきを隠す(ネガティブ本能)
- 何かを完璧にこなすと、他の大事なところが疎かになる(過大視本能)
- 深刻な問題を理解するためには、問題を引き起こすシステムを見直さなければならない(犯人探し本能)
「固定観念」や「イメージ」から離れて、数字をベースに世界を理解するためには、10の本能(思い込み)を捨てる必要があると書かれています。
この10の本能は、投資だけでなく仕事上で何か判断しなければならない時にも活躍しそうでした。
以上、「【レビュー】ファクトフルネス(2019年,ハンス・ロスリング,日経BP社)」でした!