銘柄考察

持株紹介|内外トランスライン(9384)

どんな会社?

国際貨物輸送における海上貨物輸送分野で活躍する会社です。

本業は収益性の高い混載であり、混載貨物便の国内シェアトップ企業です。

混載貨物とは、1コンテナ内に複数顧客の貨物を混載することです。

また、第二の本業としてフォワーディングを位置付けています。

フォワーディングとは、”荷物の旅行代理店業務”です。荷主から依頼を受け、航空会社やトラック会社、通関会社などを手配し、物流を総合的にコーディネートします。

ちなみに、船舶や航空機そのものは非保有です。

財務

自己資本比率は80.3%。

倉庫・運輸関連業界では2位の位置づけです。1位である上組の81.8%に肉薄しています。

ちなみに、業界平均は55.2%ですので、財務優良と言えます。

また、有利子負債ゼロの無借金経営企業でもあります。

業績

売上

直近10期(2013年〜2022年)で売上は概ね右肩上がりの状態です。

特に、コロナ禍の21年と22年は大きく売上を伸ばしています。

これは、コロナ禍によるコンテナ不足に伴う運賃高騰の恩恵です。

また、海上運賃はドル建てのため、円安は追い風となります。

EPS

売上と同様に、EPSは直近10期(2013年〜2022年)で概ね右肩上がりの状態です。

また、ROEは25%と、倉庫運輸関連業における平均9.2%から大きく離してトップに近い位置にいます。業界トップは、ファイズHDの28.8%です。

配当

配当利回りは3.1%。

倉庫・運輸関連業は平均2.9%程度ですので、平均的な位置付けです。

過去3年間の利回りは1.75%〜4.15%程度で推移しています。

配当金は、直近10期(2013年〜2022年)では増配傾向にあります。

決算状況

2023年12月期

第1四半期

https://twitter.com/kaeru_kabu/status/1651810310402228224?s=20

中間決算

https://twitter.com/kaeru_kabu/status/1684871994389811200?s=20

本決算

  • 今期は減収減益、配当維持
  • 次期見通しは増収増益、配当維持

2023年12月期は苦戦した内外トランスライン。主力の混載貨物事業で、コロナ禍の特需が一服した影響が大きかった印象です。ただ、混載貨物一本足打法ではなく、第二の柱として成長中のフォワーディング事業(荷物の旅行代理店業務)にも今後期待したいところです。

自己資本比率は83%、有利子負債比率0.7%と財務は鉄壁であり、配当性向も30%以下に抑えられているため、長期保有しながら今後の動向を注視していきたいと思います。

保有メモ

本業の混載は利益率が高く魅力的ですが、業績は社会情勢等に左右されます。一方でフォワーディング事業にも注力されているので、収益の柱は分散されている印象です。ポートフォリオ上の位置付けは、円安に強い企業となります。

財務良好で業績も安定していることから、長期保有を前提とします。

保有目的:配当及び株主優待

売却検討タイミング:総合利回りが4%を下回るタイミング

内外トランスライン株式会社