書評

【書評】サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円(2022年,愛鷹,ダイヤモンド社)

昨年末に出版され、気になっていた書籍を読んでみました。

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「10倍株(テンバガー)狙いはキャピタル・ゲイン狙いなので自分の投資方針とは合致しない」と思っていましたが、「インカム・ゲイン狙いと相性が良い」とされていた点が興味深かったです。

10倍株とインカム・ゲイン狙い

10倍株は狙って簡単に保有できるできるものではなく、インカム・ゲイン狙いの銘柄を買い集めているといつの間にか10倍に育っていることが多いとのこと。

確かに、10倍株を狙って保有できるのなら、誰もが10倍株ホルダーになりますもんね。

インカム・ゲイン狙いの銘柄が大きく育つということですが、その中でも高配当株ではなく株主優待利回りが高い株に着目すると良いそうです。

高利回りの株は市場から注目されやすいですが、株主優待利回りが高い株は株主還元に積極的である傾向があり、配当が開始された際には高配当となり株価が上がりやすくなるのかもしれません。

株主還元に積極的な企業を探そう!

株主優待利回りが高利回りであるだけでなく、他にも「株主還元拡充銘柄」や「連続増配銘柄」も株主還元に積極的な企業と言えるでしょう。

継続して需要あるテーマに注目を

例え保有銘柄が株価10倍を達成しても、それが一時的なブームであった場合は意味が薄いですよね。

一過性の高値とならないためには、継続して需要があるテーマを選定することが肝要とのこと。

本書では、次のセクター(テーマ)に着目されています。

人材サービス

・初期投資が少なく利益率が高い。ニッチ分野に需要あり

半導体

・産業のコメ。IoT等で世界的に需要拡大中

DX

・国策。特にセキュリティ分野

プラットフォーマー

・アタるとデカい。

私は、「現状を豊かにすること」を目的に日本株の高配当銘柄や株主優待銘柄を中心に投資を行なっています。「10倍株を保有してキャピタルゲインを得ること」は目的としていないので、この辺りは参考に留めておきます。

銘柄選定:決算短信を徹底的に読み込む

銘柄選定にあたっては、決算短信を徹底的に読み込むことが肝要とされています。

特に、「増収増益」は必須項目。

増収増益のうえで、「この銘柄(事業)は世の中に必要不可欠な存在になり得るか?」というストーリーを頭に描くことで、短期的な一過性高騰株を掴みにくくなるようです。

なお、決算短信では基本的に「営業利益」と「配当」項目しか目を通さず、「財務情報」は見ないとされています。

財務情報は、業績に連動するという考え方です。

決算短信の読み方は人によって千差万別ですが、こういう読み方もあるのか!というのは目から鱗でした。

一つの企業を丁寧に読み込むよりも、より多くの企業を素早く読み込んだ方が、お宝銘柄と巡り合う確率は上がるのかもしれませんね。

保有スタンス:基本は買ったら長期保有(ガチホ)

保有スタンスは「業績は見る、株価は見ない」というもの。

先ほどの決算短信の重要性がよくわかります。

これは10倍株狙いの投資だけではなく、長期保有する際の狼狽売りする/しないの指標にも通じるものがありそうです。

そもそも、10倍株を保有したいのか?

1冊まとめて読んでみて感じたのは、

カエル
カエル
俺って10倍株を保有したいのかな…?

ということ。

そもそもの投資方針は、インデックス投資で総資産を増やし、日本個別株投資でキャッシュフローを増やすというもの。

資産が10倍になるのはめちゃくちゃ喜ばしいものとは思いつつ、かといって10倍株にこだわって狙う必要は全くありません。

ただ、10倍株の育て方もインカムゲイン株の育て方と似ている点や共通する点が多くあったので、それこそ「宝くじ」のような楽しみ方もできるな〜と思いました。

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以上、「【書評】サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円(2022年,愛鷹,ダイヤモンド社)」でした!